厳しい寮生活
僕フランソワーズ、寮生活ですっかりいい子になったよ。
寮の名前は名古屋動物整形外科病院。
バブルの頃はゴージャスなジムだったところで、25mプールが付いてるんだよ。だから、大きい犬達もおもいっきり泳げる、つまり、おもいっきりリハビリ出来る。
僕は今、何十頭の仲間たちと暮らしている。みんな、車に轢かれたり、ヘルニアだったり、マンションのベランダから落っこちたり、ハンディキャッパーだらけ。
昔だったら廃棄処分だよね。僕もそのうちの一匹なんだけど・・・。
それでも全く歩けなかったピレネー犬のトノ(2才)が飛び跳ねるようになってるし、首がヘルニアで全身麻痺だったドーベルマンのクーパー(6才)は体を起こしてテレビぐらいは見られるようになったり、みんな頑張って良くなってる。
僕も固いドッグフードも食べられるようになりました。
だってそれしか無いんだもん。
柔らかいベッドも懐かしい。フカフカの羽枕で寝てた毎日はなんだったんだろう。
夢のようだ。だけど、そんなことは言ってられない。ここには過去を振り返る犬なんて一匹も居ないし、僕はペットスパで店長に”トイプードル中のトイプードル”と言われた忍耐力が自慢のタフガイなんだ。
なんてことないって顔をして男らしくやっているよ。
今日は10日ぶりにママに会った。
お互い泣くかと思ったけど泣かなかった。それで良くなるわけじゃないし、ママは二時間ぐらい居たけど、じゃあねとあっさり帰っていった。
いつがボーダーで、僕は東京に帰れるんだろう。
先生達は大丈夫、歩けるようになるでしょうと言ってくれてる。
ママは”最終目標はフラニーjrを作ることです”と先生達に言っていた。
最終目標じゃなくたって、今でもデキるんだけど・・・僕の独り言は誰にも聞こえないみたいだった。






